裄は短しタスキは長し

数種類のテーマを軸にその時の気分で書きます

2020/02/29 19:38「錆びた滑車」若竹七海

 先日ブログで申し上げた通り、諸々の事情で時間的な余裕が出来たことで、先月末から図書館通いを再開した。 

さて、何から読もうかな、と最初に今野敏「去就」を手に取り、ドラマ10で「ハムラアキラ」を放映しているのだから、きっと大部分は貸し出されているよね、とダメもと覚悟で文庫本の書架に若竹七海の「錆びた滑車」がないかな、と眺めていたら・・・あった、なんちゅうこっちゃ。 

 リアルタイムでドラマを放映しているのに、原作者の作品が書架に鎮座している。そんなバカな、と思ってハードカバーのわ行の書架を見に行ったら・・・やっぱりある。「依頼人は死んだ」「悪いうさぎ」もだ。へ? 

 とはいえ今一番読みたかった「錆びた滑車」。相変わらず葉村晶は不運が付いて回っている。ここまでくると一周回って類まれなる強運、と言えるかもしれない。  

 尾行の対象の老女が訪問先で相手と喧嘩騒ぎになり、巻き込まれた葉村も大けがをした。それがきっかけで喧嘩の相手のもう一人の老女青沼ミツエが所有するアパートに住むことになったのだが、最近交通事故にあい、記憶障害の孫のヒロトから「自分がなぜ事故現場にいたのか、思い当たるふしがない。あんな所にいた理由を調べてほしい」と依頼を受ける。ところが調査を始めようとしたその矢先に今度はアパートが火事に見舞われ 

 仕事も私生活も次々と難題が怒涛のように押し寄せる中、葉村晶は、「世界一不運でタフな探偵」の称号にふさわしく、衰える一方の肉体に鞭打って真相へと突き進む。たどり着いた先に見出した真相は・・・羽根布団で包丁に応戦。何それ?詳しくは本編をお読みください。 

 前にどこかに書いたかもしれないが、物書きというのは、絶対女性を性悪に書けない人と、必ず性悪な女性か、もしくは心の闇が深い女性を書かずにいられない人と、概ね女性の書き方で二分される、というのが私の持論。若竹さんはちなみに、後者である。

  本作を楽しむために自分に不利だと思うことが二つある。

 一つは東京、特に彼女のホームグラウンドの吉祥寺に土地勘がないこと。もう一つはミステリーの蘊蓄が膨大でついていけないことだ。

 

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