裄は短しタスキは長し

数種類のテーマを軸にその時の気分で書きます

2020/06/06 10:02アシガール 第9話 前編

「戦のない世で幸せに」 

忠清からの手紙には

「嘘をついてすまない。お前には戦のない世で幸せに暮らしてほしい。わしもこちらの世で必ず生き抜いてみせる。」とあった。若君のいない世界なんて生きていても意味がないと、沈み込む唯。

 「ここんところの色々に比べたら超ラクでした。」と久しぶりに登校した尊は、金メダルをくわえている姉の写真が亡くなっていることに気付く。

「若君はそういうの喜ばないと思う。若君が好きなのは、きっと元気なお姉ちゃんだと思うから」

 忠清の気持ちを知った唯は、燃料を貯めるのに必要な時間を尊に尋ねる。1回の移動なら2か月、往復だと4か月、圧力をかけ濃縮するのに3年。忠清の告白をどうしても直に聞きたいという姉の熱意に負け、尊は燃料を貯めることに。

 

「発掘は発見ではなく、再会だ」 

 「新しい歴史の資料が見つかった。」木村先生が見せてくれたのは、松丸家の当主から羽木忠高へあてた書状だった。永禄三年三月、高山との戦に勝ったことへの祝いと、戦の間先送りになっていた惣領忠清と松丸家の阿湖姫との婚儀を執り行おう、という文面に唯はショックを受ける。大騒ぎする唯を宥めるために、木村先生は、小柿城近くの古戦場の発掘調査で見つかった紙片を渡す。それは忠清が持ち去った、セピア色になった唯の写真だった。

「お前によく似ている。俺は思うんだが、これだってお前のご先祖がお前に会いに来てくれたんじゃないかと。

発掘は発見じゃなく、再会だ。」

 若君に会うためにもう一度戦国時代に戻る。そして婚礼をぶち壊す。唯は決意を新たにする。

 

「走って走って、若君を守り抜きたい」

 家では早く燃料を濃縮しようとと思った尊が圧力を10倍に上げたせいで、ラボが爆発。「今から燃料を貯め始めたらどの位かかるのか、装置が元通りになるのに何年かかるのか?」と聞く唯を、美智子は、無理な話だ、所詮同じ世界で生きていけない相手に、なぜそうまでしてこだわるのか、諦めろと止める。だが意外にも尊の答えは「今夜。満月だからとぼうと思えばとべる。二度と燃料を作ることは出来ないけど、タイムマシンは壊れていないから」半年で貯めた燃料は2回分。

 美智子は猛反対、覚も必死で宥めるが、唯は木村先生にもらった写真を取り出し「若君はあの場所で生きていた。そしてこうやって会いに来てくれた。だから私は会いに行く。」と唯は譲らない。

「私は走って走って若君を守りたい。」

 尊には新兵器「金の煙玉」と「煙の中で視界が効くゴーグル」を、覚にはレンコンのはさみ揚げを渡され、唯は「これで思いっきり婚儀をぶち壊すことが出来る」と叫ぶ。意外な真意に慌てる覚と尊だが

「思いっきりぶち壊してきなさい。好きなだけ走って、好きなだけ暴れて、そして今度こそ若君と一緒に」

と美智子は叫ぶ。

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