裄は短しタスキは長し

数種類のテーマを軸にその時の気分で書きます

2020/07/01 05:50アシガール 最終話 前編

「忠清どのが命がけで取り戻しに行かれたおなごであるぞ」

 羽木の本陣で手当てを受ける唯。状況を尋ねる小平太たちに、高山方は大将の成之を狙っていたこと、忠清は無事で、山越えをして小柿城を目指していること、山の向こうに三千の伏兵が隠れていることを知らせる。

 「このままでは高山が全軍でこちらに向かってくる。若君の命も危うい。」と木村。成之は本体はここで敵ににらみを利かせている隙に、自分が忠清を迎えに行くというが、小平太が反発し、本陣は二つに割れてしまう。

 唯は成之と昵懇だった坂口が、罠をしかけた張本人だったこと、対する忠清は、成之と一緒に羽木を守るという思いをずっと抱いていたこと。成之の身を案じる如古坊は、国境の寺で、高山の動きを見張っていたことを訴えて成之を説得するが、意識を失って倒れてしまう。

 手当をするために薬師を呼び、着物を脱がせようとする木村たちを成之は制止する。唯が女であること、忠清は唯を想うがゆえに、彼女の救出に向かったことを知らされ、木村たちは仰天する。

 

「ご寵愛って、超愛してるってこと?」

 忠清を迎えに行くはずの成之だったが、山道で伏兵の待ち伏せに遭遇。絶体絶命の成之を救ったのは、山越えをしてたどり着いた忠清だった。忠清は、無事落ち合えたのは、唯之助が知らせてくれたおかげであること、唯が撃たれたことを成之から知らされる。

 陣幕内で「たわけ、この忠清を謀り、一人で山をくだるとは。」怒る忠清に「でも、上手くいったでしょ」と笑う唯。本陣の木村たちは、先刻の成之の話をようやく真に受けることに。

 目覚めた唯は、吉乃に付き添われ羽木城の奥御殿にいた。既に小柿城に援軍が向かった。間もなく勝敗が付くはずだという吉乃の言葉に自分も小柿へ向かうという唯だが、城の奥女中たちに止められてしまう。

 八百の羽木勢に対し、高山勢は五千。黒羽城からの援軍が来るまで少なくとも2時間、総攻撃を持ちこたえねばと緊迫した空気の軍議の場に、悪丸がやってくる。「唯之助から、敵が大勢やってきたら使うよう言われた。」悪丸は、忠清に「まぼへい君」を渡す。

 

「わしは唯どのに言われたのだ。」

 阿湖姫のところでのんびりと過ごす唯。阿湖姫から忠清たちは援軍到着まで小柿城の防衛に成功したこと、高山の兵が攻めかかろうという時に空から天兵が現れ、羽木勢に力を貸し、「若君はやはり、神仏に守られておわす」ともっぱらの評判だと聞かされ、唯は「まぼへい君」が役立ったことを知る。ただ、高山宗鶴だけが意固地になり兵を引かないために、戦局が長期化しそうな展開に。 

 「和議などもってのほか」と息巻く宗鶴。重臣や宗熊は体調を心配するが、宗鶴は宗熊に「まことの負けとは、命を落とすことではない。己を譲ることじゃ。」父の言葉を胸に刻んだ宗熊は「己を貫き通す」べく、羽木との和議を受け入れると宣言する。

 和議の場にやってきた忠清を見て「ぬしはまことに忠清どのだったのだな」と宗熊。忠清は攻められれば守るために戦うことになるが、今後こちらからは高山を攻めぬことを約束し、宗熊もこれを承知する。

 宗熊に「かの姫はご無事か?」と聞かれた忠清は、本当の名前は唯と言い、今は黒羽城で静養中であることを伝える。唯に、「戦も祝言も人の言いなりになってはならぬ」と言われたことを宗熊が忠清に披露し、和議は成立する。

 忠清の真意が伝わったことは良かったが、忠清と宗熊の女の好みが一緒であることが納得できない様子の成之。

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