裄は短しタスキは長し

数種類のテーマを軸にその時の気分で書きます

2020/07/18 21:13「燃えない親父」2020.07.11フジテレビ系「世にも奇妙な物語」より

 ホラーは苦手なので、松下洸平さんが「世にも奇妙な物語2020夏編」に出演すると知り、うぇぇと悩みながら視聴した。

 結果的に出演作品「燃えない親父」は、「怖い、気持ち悪いホラー」ではなく、「世にも奇妙な物語」ではマイナーだが、決して廃れない「ハートフルな奇妙なお話」だったのでホッとした。ディスクにダビングしてしまったくらい、ホッとした。

 

 陶芸職人松田徹が亡くなった。心不全による突然死だった。葬儀の間も仕事が頭を離れない姉の春香を苦々しく思っている弟の光一。ぎくしゃくする松田家の控室に、斎場の職員鬼瓦が「お父様が燃えません!」と血相を変えて飛び込んでくる。

「何か故人様に心残りがあるのではないでしょうか」という鬼瓦のアドバイスを受けて、松田家の面々は「父の心残り」を推測し対処するものの、どうしても徹の遺体は燃えない。繰り返す火葬のたびに棺の代金がかさみ、皆が焦る中、ついに我慢の限界にきた春香は斎場を出ていこうとする。その背中に光一が「親父の心残りって姉ちゃんのことじゃないの?」と言い放ったのをきっかけに、松田家の親子4人の秘密が明らかになる。

 姉弟のわだかまりも解け今度こそ、と挑んだものの、やはり徹の亡骸は燃えない。「親父の心残り」ってなんなんだ?春香は鬼瓦のネームプレートを見て、15年前の母の葬儀の時のことを思い出し、「ひょっとして」と控室を飛び出していく。

 

 葬儀の場面でのコメディーというのは、ドラマの中の人物の焦りがエスカレートするにしたがって、見ている方も不謹慎な笑いのツボにハマっていく。

 気のせいか役名、陶芸工房の二代目という設定ともに、脚本家の「絶対この役は松下さんにやってもらうんだ」という気合を感じてしまう松田光一は、家族思いの好青年だ。ところが「父が火葬しても燃えない」という異常事態に「親父、窯の温度にはうるさかったからね」とシュールな一言を漏らしたり、「あの店にミンミンちゃんなんていないよ」とフィリピンパブに詳しかったりと、チャラいところも持ち合わせている。祖母が「徹を連れて帰る。幽霊だろうがなんだろうが、わしの可愛い息子じゃ」と騒ぎだしたときには「悪霊だったらどうすんだよ、責任もって最後まで可愛がれんのか」と妙な論理で祖母をなだめる。この「チャラいところとシリアスなところ」の両面、しかもそれが微妙にズレているところを表現する、という難しい要求に応えられる俳優というところで、松下さんが起用された気がする。

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