裄は短しタスキは長し

数種類のテーマを軸にその時の気分で書きます

2020/11/04 07:59「御子柴くんと遠距離バディ」若竹七海

 主人公御子柴将が重傷を負って救急搬送される、という物騒な場面から始まる「御子柴くんと遠距離バディ」は、事件の後、長野県警に一旦戻り、新しい職場となった長野県警千曲川署の閑職に配された御子柴君が、その後も、長野県警と警視庁と近隣県にまたがる事件の謎を追い、ついに最終話で再び警視庁捜査共助課へとカムバックするまでを描いた連作短編集。今までは御子柴くんの相方だった、若干印象の薄かった竹花一樹君が、本作では警視庁サイドの御子柴くんの遠距離バディとして活躍する。 

 前作同様、円滑な合同捜査、捜査協力、情報共有と、事件の早期解決のために重要な意味を持つ共助課の手土産のクオリティと心配りだが、御子柴くんの後任である細澤は、余りにやる気がなく、警視庁内に「御子柴復帰待望論」が立ち込めている。長野と東京で発生する連続していないようで連続していないでもない殺人事件を追って、長野県警と警視庁の面々が駆け回る、というなかなかハードな展開。各部署を飛び交う手土産が一瞬、読者を和ませるが、事件そのものはなんともおどろおどろしい。若竹さんの絶妙な味付けである。

 

Trackback

▼この記事のトラックバック用URL

Comments

お名前(必須)
メールアドレス
URL
コメント(必須)
※コメント以外の内容を次回も使用