「クジラアタマの王様」伊坂幸太郎
«
♯リモラブ ~普通の恋は邪道~ 最終回2020.12.23 日本テレビ系
»
「フーガはユーガ」伊坂幸太郎
コロナ禍で企業のテレワークが進む中、SNSかきっかけで知り合った二人が、リアルな恋ではジタバタしながら愛を育むラブコメディ。ヒロイン大桜美々は波瑠さん、相手役青林風一は松下洸平さん。
バーチャル世界で心を通わせるところから始まった二人は、リアル世界ではどこかかみ合わない。まず、お互いの素性が分かるまでに数話かかり、そこからお付き合いらしきものに発展するまでがさらに1,2話、で、いきなり青ちゃんはプロポーズ・・・に失敗し、最終話の終盤で、やっと仲直り。
あぁ、まだるっこしい。この一言に尽きる。今どきの若者の恋愛事情は、こんな感じなんだろうか?
以前作家のトム・ロブ・スミスが、プノンペンでカンボジア初の昼メロの脚本を書いていた時を回想し、
「西洋では一話の中で男女が抱き合ってキスまでするのに、カンボジアだと手を握り合うまでに二十話かかる」と表現したが、昭和の女である私は毎週ドラマを見ながら、前述の彼の言葉を思い出していた。
むしろサイドストーリーの一つである、ハジメちゃんこと朝鳴営業部長とゆりっぺこと富永先生のオトナの恋のもどかしさの方と、最終話の青ちゃんとごもちゃん(風一の同僚、五文字くん。演:間宮祥太朗さん)のやり取りの方がしっくり来た。
私の中の「若者の恋のイメージ」は今どき「バカップル」にカテゴライズされてしまうらしい。歳とったんだな、としみじみ思った。松下さんを見たい、というそもそものモチベーションのほか、富永先生の含蓄のある箴言と、途中から気になり始めた間宮さんの好演など、色々収穫の多いドラマでした。
今年の更新はここでおしまい。皆さん、どうもありがとうございました。よいお年をお迎えください。
つい しょうこ