
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
常盤優我と常盤風我の双子の兄弟は、誕生日の日になると二時間おきにテレポートでお互いが入れ替わる。
極めて厄介な超常現象だが、二人はなんとか対処法を見つけ、誕生日を乗り切るのだが、一方でこの現象を利用し、一世一代の人助けもする。
伊坂幸太郎さんの「フーガはユーガ」はこうやって二人の子供時代から思春期、成人した後の人生を描いていくのだが、これがなんというか・・・結構手ごわかった。
最初に悩むのが、前半のDVシーン。親父の暴力の描写に加えて、それを回避すべく健気に努力する子供の描写というのは、読んでいて結構しんどい。
その次に来るのが、風我の恋人小玉ちゃんを助けに行くシーン。こんな醜悪な暴力行為って、中々お目にかかれないよな、この小説絶対映画化できないな、と思うほどの醜悪さで、二人の計画がうまくいったときは、本当にホッとした。
そして成人した彼らは、それまでの人生で最悪の宿敵と対決する計画を立てるのだが、その伏線がストーリーのかなり早い段階から伏線が張られていて、「え?あぁ、そういうことなの!」と驚かされる。