裄は短しタスキは長し

数種類のテーマを軸にその時の気分で書きます

2013-05-03 12:38:53.0 ドラマの放映も始まりました

 先日劇場版「麒麟の翼」を見たこともあって、東野作品を読もうかな、と思い立ち書架の前に立ってみると、ガリレオシリーズの第8弾「禁断の魔術」があった。そんなにあったっけ?と数えてみると、未読の「虚像の道化師」も入れて確かに8作。「シリーズものを長続きさせることができない」と称する東野さんにしては堂々のロングラン達成ではないかと思う。
 今回読んで感じたのは、作品の見どころである湯川准教授の実証実験による謎の解明が、必ずしも犯人の特定とは限らないこと。私はこれを「東野圭吾の新参者的演出効果」と呼んでいるのだが、このスタイルが加賀恭一郎ものからガリレオに波及しているのである。
 一番印象に残ったのが第2章「曲球る(まがる)」。他の3作は犯人が身内だったり、遺族の後悔が余計に深まったり、後味の苦さから逃れられないところがあるのだが、「曲球る」だけは本当に読後感が良かった。
 ラストでは湯川はNYに旅立ち、しばらくは捜査協力をお願いできないことになった。ひょっとしてこのシリーズも終結するのか?とその行く末にドキドキしているところである。

2013-04-27 22:14:35.0 いっぺんにシリーズが2つも完結するなんて・・・

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 このミス13年版で海堂さんは「東城大学シリーズとバブル期シリーズを簡潔させる」と仰っていたので、「ケルベロスの肖像」を見つけた時は、新作では何が起こるのかとか、シリーズがどんな風に完結するのかよりも、あぁこれで田口先生とも今生の別れなんだわ、と寂しさのほうが先に立っていた。
 ところが、購読する読売新聞は、そう単純に私を名残り惜しさに浸らせてはくれない。(そのいきさつは前回述べた。困ったもんだ)
 本作もにいっ、と笑う笑顔がステキな田口先生の声にならないつぶやきとボヤきが、全編を通して散りばめられていてとにかく楽しい。ただ、愛しの田口先生は最近コン・ゲームに長けてきたようで、本人は否定しているが間違いなく「老獪さに一段と磨きがかかって」きた。もちろん田口先生の魅力が損なわれたわけではないので、私としては問題ない。
 今回も、手ごわい頭でっかちの患者への技ありのクレーム対応、児童虐待見落とし例、認知症のお年寄りの事故死の真相究明と、トラブルが次々と勃発した上、最後にAiセンターのこけら落としと同時に起こった炎上というセンセーショナルなイベントを経て東城大学医学部付属病院は閉院。最後に高階院長が後継者に田口先生を指名して物語は終わる。作品のように、Aiがタンポポの綿毛のごとく、議論の対象から一般常識になっていくことを願っているが、先述のように、その土壌をことごとく汚染しようとする輩が多いのは嘆かわしい。
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 「ケルベロスの肖像」で完結した東城大学付属病院シリーズにとってはエピソード編ともいえるバブル期3部作の完結編「スリジエセンター1991」もこれまた意表をつく結末だった。
蛇足だが、この2作品はあまり時間を開けず、出来れば続けて読むことをお勧めする。ネタバレ防止のため、詳しくは述べないが、よもやモンテカルロのエトワールにあのような未来が待っていようとは、全く想像していなかった。しかも主人公世良雅志のこれまた予想外の決断が、既刊の「極北ラプソディ」の結末につながり大団円をなす。まぁすごい締めくくり方である。
 「ケルベロスの肖像」で高階院長は田口講師に問われて渡海の放逐とスリジエ・ハートセンター創設の阻止に対する後悔を告白しているが、なるほどオレンジ新棟の立ち上げや桐生恭一の招へいやチーム・バチスタの結成などは、その後悔に帰しているのだな、というのが良く分かる。とにかく「スリジエセンター1991」中の若き日の高階講師は徹底的にカッコ悪い。天城先生に対してやることがえげつないうえに、極端な反・拝金主義は、病院運営で常に赤字に悩まされ続ける後の高階院長を思い返すと、なにやら滑稽でもある。また佐伯教授に押し付けられた面倒な仕事を世良に丸投げして「これは便利」と小躍りする場面には思わず笑ってしまった。
 メディカル・エンターテイメントというからには、確かにこのシリーズはエンターテイメントなのだが、読み手は決して底流する「医療は医者をはじめとする医療従事者や厚労省で作るのではなく市民全体も一緒に作るのが理想」という作者のメッセージを見落としてはならないと思う。
さて、海堂先生はこのミス13年版で「完結させるためには同時に新しいシリーズの立ち上げが必須」とも述べておられた。今後も注目していきたいと思う。

2013-04-21 15:46:14.0 今朝、新聞を広げたら

ブログ更新のため、原稿をチェックしようとした矢先に、死因究明モデル事業についての記事を見つけた。
 2013・4・21の読売新聞「教えて!ヨミドクター」という執筆記事で、筆者の利根川昌紀氏が、厚労省の担当者にインタビューする形でその事業について紹介しており、記事の内容は、遺族が死因の究明を希望したところから、どういう職種の人たちが、どういう組織編成で調査・審査を行い、遺族に結果を報告するかについて、読者にもわかりやすく紹介されている。結構なことである。
 ただし、海堂尊さんと田口公平先生の熱烈なファンの立場からすれば、とんだお笑い草の内容である。
 記事の最後の方で、厚労省の担当者の方はこう言っておられる。
「遺体の解剖には抵抗を示す遺族が多く、調査事例が増えない懸念があります。事例が増えなければ、再発防止に役立てる目的が果たせなくなります。医療事故の死因解明と再発防止という二つの目的を果たせる仕組みづくりが求められています。」
 Ai(死亡時画像診断,ざっくりいうと、ご遺体に画像診断を行うこと)について一言もない。
 なぜか?
理由① 利根川氏は取材の際に十分な事前準備を怠った。
理由② 草稿にはAiも紹介するつもりだったが、厚労省側がゴネたか、脅された。
理由③ 利根川氏自身がAi否定派で、導入の問題点の指摘すら書くに値しないと判断した。
 というわけで、こういう場合、この方に直接質問したいと思ったらどうすればいいのか、ご存じの方はご教示くださいませ。

2013-04-18 22:38:52.0 虎の子はホントに手がかかる

 ”おいユーロ、しっかりしてくれ。アタシの虎の子がちっとも育たんうえに、証券会社の営業がしつこくてかなわん。”(2012/06/03)
 以前某SNSで書いていた日記は、このような些末なコメントと本の紹介、そしてつながりのある作品1冊の紹介、という構成だった。当時はおバカ宇宙人に始まってドジョウで終わる民主党政権時代。ヨーロッパの経済危機に端を発した超円高で、所有する投信が目減りの一途をたどっていた。
 一番困ったのは、毎日のようにM証券の営業マンが、投資先の変更を促す電話をしてきたことである。
 投資信託の購入経験のある方はご存じだろうが、投信の基準価格が下がり続け、資産総額が目減りすると、証券会社の営業は防衛策と称して、投信の買い替えを強く勧めるが、その本音は買い替えによる手数料収入が目的で、言われるままの買い替えはあまり防衛にならないことも多い。 やたらと植え替えをしていて、根付くことなく枯れ果ててしまうのは、なにも植物にかぎったことではないのである。
 私の場合もそのケースで、多い時は週に2,3度電話で買い替えを進めてきた。私はそのたびに、
「永遠に円高ってわけでもないでしょ?」
「(基準価格が)下がっているといっても、今すぐ紙クズになる、って訳じゃあるまいし」
とかわし続け、また、新規の購入に対しても
「欲しくないから」
「お金がないから」
と断り続けたが、相手もなかなか引き下がらない。
 「5分ほど」と言いつつ結局15分もグダグダとまとわりつく、嫌がらせのような彼の電話での勧誘は、間もなくウンザリを通り越して怒りの領域に達した。
 これは精神衛生上とても良くない。私はやむなく、防御策を講じた。えげつない行為、といっていいかもしれない。
 私は、営業マンの言う通りの投信に買い替えを行ったが、額面上、売却は予定より大目に、購入は彼の予想よりはるかに少額に抑え、差額は銀行に送金するよう指示して、M証券から資金を引き揚げさせてもらった。
「(買い替えろという)アンタの言い分はきいた。文句あっか!」
 というわけである。そして手にした資金で、当時欲しいと思っていたm証券が取り扱っている全く違うタイプの投信を購入したのである。(当たり前だが、このことはM証券側には言ってない、言う義務がないからだ)
 たまには担当の営業マンにケンカを売って、脅してやるべし。今では大事な教訓である。
 効果は絶大だった。アベノミクスの恩恵で資産総額が回復したこともあるが、現在彼は、めったに電話をしてこない。

2013-04-13 21:38:39.0 あぁまたもや巨大な画像が・・・

 実は私、デジカメを持っていない。
 ブログの冒頭に添付している画像はすべて携帯で撮影したものである。画像を見ればおわかりだが、いつもほとんど同じ条件で撮影し、同じ方法で修正している。というか、裏技小技を使えるほどスキルが高くない。なのに、
 なぜ・・・?
なぜ「湿地」の画像はあんなにデカいのだ?
圧縮したはずの画像はどこなのだ?
 一念発起して、以前コメントで「縮小専用」なる無料ソフトを紹介して頂いたのを思い出し、ダウンロードを試みたのだが、これまたなぜかうまくいかない。ひょっとして「オマエには使いこなせない」という御託宣か?と、今のところ保留にしている。
 オリジナル画像を修正し、もう一度画像を添付しなおせばいいのだが、よくよく見てみるとこの無駄に大きい表紙の画像は私の「湿地」という作品、および作者アーナルデュル・インドリダソンに対する評価を忠実に反映している気もするので、このままがいいかも、と今回はやめておいた。ひょっとしたら今後、作品のオススメ度を画像の大きさで表すようになるかもしれない。
 ここまで書いて、先日東野圭吾「禁断の魔術・ガリレオ8」を読んだ際に表紙の写真を撮り忘れたことに気付き、 さらにあろうことか、ブログのタイトルが開始時からずっと間違っていた。
 うわぁ、何やっとんねん、である。


 追伸:前回「湿地」でアイスランドではチェスが盛んだと書いたが、昨日夕飯を作りながら思い出した。
 C.カッスラーの「氷山を狙え」は、主人公ダーク・ピットがアイスランドの首都レイキャビク経由で目的地に到着するところから始まる。この作品はダークピットシリーズ初期の作品だが屈指の秀作で、殊にクライマックスの見せ場、フォードの3発機が離陸するシーンは今読んでもワクワクする。なお、このフォードの3発機(通称ブリキの鵞鳥)は、のちにピットの所有となり「マンハッタンを死守せよ」でも大活躍する。