コロナ対応で番組の収録が中断している中、「傑作選」と銘打った過去の名作ドラマの放映が真盛りだ。
ブログのカテゴリの一つ「書架の森を行く」は以前は「図書館ヘビーユーザー」という名称だった。そしてそれよりはるか以前に、モバゲーTOWNの日記で読んだ本の紹介をしていた。字数が限られているので、下書きの段階で完成度を上げておかないと効率が悪い。まず1000字~2000字ぐらい書いて、要点を絞るために文章を削るという、今よりずっと手の込んだ作業だった。もったいない気がしたので、当時の元々の原稿はすべてメモリーの収めてある。これが「書架の森を行く」の原点だ。
毎週月曜フジテレビ系で9時から放映中の「鍵のかかった部屋」は、そのモバゲーの頃に(当時はガラ携帯だった。)感想を書いていた作品で、該当するフォルダーをあさって原稿を探した。以下は貴志祐介原作の3作品のモバゲーでの紹介文。
「硝子のハンマー」貴志祐介(2009.5.2)
凶器は絶対テーブルだと思ったのに!それにしても闇金の取り立てって、関西弁だと怖さがアップする、と痛感した。貴志さんの作品は初めてでしたが、(ホラーじゃなかったら)次もまた読みたいです。
「狐火の家」貴志祐介(2009.6.9)
青砥純子と榎本径が連作短編でコンビ再結成。表題作だが、あんなところに遺体を埋めたら家宅捜索の時にウルトラ迷惑ではないだろうか?予想外の事態にマジメに振り回される純子の姿が、ちょっと笑える。
「鍵のかかった部屋」貴志祐介(2014.9.7)
原作愛ゆえに視聴を挫折したのが雫井秀介著「ビター・ブラッド」なら、原作とは設定が全く違うにもかかわらず、ドラマを心ゆくまで楽しんだのが貴志祐介「鍵のかかった部屋」。青砥純子は法曹界でも「密室がらみの事件に強い」という評判を確固たる(?)ものにしてしまったようで、本作もまたマニアックな密室が次々と登場する。
また密室を作り出す犯人は、みな性格が用意周到で粘着質なため、榎本が、実際にトリックを見破るだけでなく、犯人のプロファイリングまでやってしまうところが興味深い。