裄は短しタスキは長し

数種類のテーマを軸にその時の気分で書きます

2020/08/09 06:24 「アシガールSP」(その1)2020.07.23 NHK総合

「若君様、物の怪が。いえ、唯さまが。」

 小垣城に向け戦場を走りながら、唯は叫んだ。

「今日が結婚式だったのに!」

 婚礼を五日後に控えた深夜、忠清は急きょ小垣城へと向かった。後を追った唯は、忠清が高山宗熊から「織田の家臣にそそのかされた父が、和議を反故にして黒羽城へ攻め込もうとしている」と知らせを受けたこと、無益な戦を避けるべく、至急小垣城へ向かわなければならないことを告げる。

 忠清は同行を望む唯に、「知らせが父上の耳に入れば出陣となるはず。その時は兄上と共に父上を止めよ。我らの勝ちとは、ただ生きること。誰も死なせぬ、わしも死なぬ。祝言には必ず戻る。」

そう言い残して小垣へと向かう忠清を唯は見送ったのだった。

 信長の家臣、相賀一成の協力を得て上機嫌の高山宗鶴。羽木を心配する高山宗熊は、自分に総大将を任せてほしいと父に願い出る。

 小垣城到着まであとわずかというところで、忠清は既に城が大軍に包囲されているのを見る。一方唯は、忠高の出陣を制止できず苦慮していた。忠清が無事城へ入ったという知らせと、「己の存念は許婚の唯に託したゆえ、お聞き届けあれ」という忠清からの伝言により、忠高たちはようやく唯の言葉に耳を傾け、出陣は止めることに。

 織田と高山の動きは速く、夜には高山軍が黒羽城下を埋め尽くした。成之に籠城戦をほのめかされ、生き延びる方法を必死に考える唯。そのさなかに老臣天野信茂と千原元次が、せめて一太刀なりとも敵に浴びせると夜討ちを仕掛ける。悪丸をつれ救出に向かった唯だったが、駆けつけた時千原は既に深手を負っていた。

「わしを捨て逃げよ。ぬしは若君様のお子を産む御正室ぞ」唯にそう言い残し、元次は息を引き取る。

 

「ならば知れたこと。お前の思いを果たす者はお前しかおらぬ、励みなされ」

 「一人も死なせない、若君と約束したのに」落ち込む唯に、養母の吉野はタイムマシンの起動スイッチを差し出した。

 忠清は小垣城に向かう前に吉野を訪ね、もしもの時は唯に渡すようにと起動スイッチを託していたのだった。

「許せ、頼む、そう申せばわかるはずと」許せ、はこれを探し出して隠しておいたこと。頼む、はこれを使って自分に逃げろということ。許しはするが、頼みは聞けない。自分にはやるべきことがある。唯はあらためて決意を固める。

 吉野に励まされた唯は、忠高に城からの脱出を進言する。重臣たちは反対するが、忠清が以前から和睦を模索していた野上衆が、羽木家を受け入れる用意があることを知り、忠高は城を出ることを決意する。

 脱出の支度を急ぐ黒羽城に、阿湖姫が戻ってきた。松丸家に戻るようにと成之は説得するが阿湖姫は「成之様について行く」と利かない。「生き延びることができたらその時は」成之はついに将来を口にする。

 忠清が小垣城のわずかな兵で敵を食い止め、時間稼ぎをする一方、唯に命じられた悪丸は「まぼ兵くん」を使って陽動作戦を展開。羽木家は無事城を抜け出すことに成功する。

 単身小垣城へと向かった唯だが、敵陣を突破する途中で「でんでん丸」が故障し、敵に捕まってしまう。本陣で唯を出迎えたのは、城攻めの総大将の高山宗熊と、織田の家臣、相賀一成だった。