裄は短しタスキは長し

数種類のテーマを軸にその時の気分で書きます

2020/08/21 06:06 「オリジン」ダン・ブラウン

バチカンとローマ、 

ルーブル美術館とパリ、 

シニョーリア広場とフィレンツェ、アヤ・ソフィアとイスタンブール。 

 ヨーロッパ各国の観光に貢献したであろうダン・ブラウンの、ロバート・ラングドンシリーズ第5弾「オリジン」のカバーの見返しを読んだ第一印象は 

「映画化されたらスペイン観光局は大喜びだろうな」。 

 どうでもいいことだが、これだから私は嫌われる。 

 かつての教え子エドモンド・カーシュに招かれてビルバオのグッゲンハイム美術館にやってきたラングドン。彼のプレゼンテーションのテーマは「我々はどこから来たのか、そしてどこへ行くのか」。宗教界から猛烈な反発を受けること必至の衝撃的な映像が発表されるという前評判だったが、あろうことかプレゼンテーションの真っ最中にカーシュ本人が狙撃され命を落としてしまう。 

 直前に狙撃の情報をつかんだため彼に警告しようとしたラングドンは、逆にその行動を当局に疑われてしまい、美術館の館長でスペイン国王太子の婚約者であるアンブラ・ビダルと共に、カーシュのプレゼンテーションを世界に公表するため、暗殺者とスペインの警察、そして近衛部隊という3種類の追手をかわしながら、パスワードを求めてビルバオのグッゲンハイム美術館からバルセロナのサグラダファミリア教会まで飛び回る。 

 インターネットの発達で、ラングドンシリーズに盛り込まれるようなトリビアは、必死で文献を探さなくとも、検索で簡単に必要な情報が手に入る。そのせいか「ダ・ヴィンチ・コード」のキーワードなんて今になって思えば-いや、刊行当時でもかなり-安直だな、と思ったが、シリーズも進むとさすがに到達までのプロセスがより難解になってきた。 

 逃げるラングドンの道連れは、決まって女性で才色兼備だ。今回もその点は今までの作品と変わらないが、今回はさらに、ウィンストンというAIが強力な助っ人として登場する。 

 今さらながら気づいたことが一つ。 

 ロバート・ラングドンはハーバード大学の教授なので、当然ハーバードは母校だと思い込んでいたが、彼の母校はプリンストン大学と判明。勘違いしていたことが分かった。