裄は短しタスキは長し

数種類のテーマを軸にその時の気分で書きます

2020/03/28 20:23 「サンタクロースのせいにしよう」若竹七海

 

 表題作「サンタクロースのせいにしよう」だけは、どこかの出版社のミステリ傑作選で読んだことがあったのだが、短編集そのものは縁がなくて読んだことがなかった。久しぶりに図書館通いを再開して若竹七海の作品を集中して読もうとしたら、以前は置いてなかった「サンタクロースのせいにしよう」があった。

 「私」こと岡村柊子が友達の紹介で、新たに一戸建てでルームシェアをすることになった。料理さえ作ってもらえるなら、家賃は相手が負担。こんなおいしい話を逃す手はない―引っ越した先の同居した相手は、人気俳優を父に持つ変わり者のお嬢様、松江銀子さん。

 変わっているのは住人だけではない。住まいの方も幽霊が出たり、ゴミ捨て場に死体が遺棄されたり、なぜかトラブルが続発する。

 葉村晶や小林・御子柴コンビが初めて登場する前回の「プレゼント」はこの一年後に発表されるのだが、本作の方は刑事事件の色合いがない。デビュー作「ぼくのミステリな日常」と「プレゼント」の中間だろうか。 

 おや、と思ったのは柊子に銀子を紹介した友人の彦坂夏見と銀子の異母兄、曽我竜郎。夏見のべらんめえ口調は、彼女の知的な部分をつぶして粗野な印象を受けるし、竜郎が屈折しているのはいいが、あっていいはずの本質的な行儀のよさが感じられない。若竹さんも若かったのかな、まさかそんなことではないでしょうが。

 

 それにしても、3/2277件、3/2360件。この2日だけまたもや当ブログの平均閲覧数から突出している。

一体何がヒットしているのだろうか。

 

2020/03/23 20:59 「プレゼント」若竹七海

 とかく、人の心はままならない。他人は勿論、自分の心すらままならない。

 

 術後の経過観察は順調で、申し分ないほど有難い。でも帰り道に小竹製パンの限定サンドパンを買うつもりが駐車スペースがなく、辺りを2周すれば、トホホな気分になるし、図書館で今野敏の「隠蔽捜査シリーズ」の続編を借りようと思ったら、読みたいものは既に貸し出されていた。 

 ではひとつ前に戻って若竹七海は・・・あった、「プレゼント」と「サンタクロースのせいにしよう」。 

 というわけで、葉村晶が初登場する「プレゼント」。8編の短編は、葉村がメインの4篇、小林舜太郎警部補と御子柴君のコンビがメインの3篇が交互に配され、最終篇が葉村と小林、御子柴コンビのコラボとなっている。 

 裏表紙の紹介文には「間抜けだが悪意のない隣人たちが引き起こす騒動はいつも危険すぎる!」とあるのだが、読み終わってみれば、暗くて苦くて冷たい空気感に「おいおい、『悪意のない』?どこ見てんのよ」と言いたくなる。 

 ところで作中の葉村晶は「寒色系は嫌い」だという設定になっている。一方ドラマ10のシシドカフカさん演ずる葉村晶は常に黒ずくめだったが、「葉村晶」ではない「ハムラアキラ」はこれでいいのかも、と思えた。

 

2020/03/19 19:46 3月18日 胸部X線、乳腺エコー

 

 担当医が変わることになった。そのためなのかどうか、今月は6日に採血、18日に胸部X線、乳腺エコーと立て続けに検査が行われ、5年目に突入するにあたって、次回は半年後、再び同じメニューで経過観察、ということになった。

 

 会計で2390円を支払い、帰路に就いたところで、この日の読売新聞上越版の記事を思い出して寄り道することにしたが、駐車スペースが車でいっぱいで車が止められず、辺りを2周し、やっと店に入ることが出来た。 

 記事、というのは小竹製パンの名物、サンドパンの限定版で、今回は抹茶クリーム入りといちごクリーム入りを18日からひと月、期間限定で販売する、というもの。 

 限定版の2種類のサンドパンをそれぞれ一個づつ、正午間近だったので自分のお昼用のパンも購入。帰宅してから食べた。

 

 それにしても南高田の小竹製パンの店内は、今まで店を紹介してもらったタウン誌やフリーペーパーが結構沢山置いてあるのがなんというか・・・うざったい。紙類に占拠されている売り場をもう少しパンで埋めてくれればいいのに、と感じてしまった。

2020/03/17 21:51 「去就」今野敏

 

 2016年刊行・・・思いのほかブランクが長かった。竜崎署長、ご無沙汰しております。 

 エンタテインメント性が高くて、しかもロジックがしっかりしているもの、そういう読みやすい作品を読みたい、そう思ったら今野敏「去就・隠蔽捜査6」しかないと思った。 

 今回の主軸はストーカー行為に端を発する誘拐・立てこもり事件だが、刑事課の戸高が「なんか違和感が」と言い出したところで、長年のファンなら誰もが思うように、私も「果断・隠蔽捜査2」がふと頭に浮かんだ。 

 そうしたら、案の定「確認が取れていない」と一人が声を上げたとたん、事件の全容が全く違った景色となって目の前に広がる。おぉ、やっぱりそうか! 

 

 シリーズもここまでくると、レギュラー陣も当初から役回りが微妙に変わっているのが「隠蔽捜査」シリーズの面白いところで、なかでも豹変ぶりが顕著なのが、第二方面本部の野間崎管理官だ。 

 監察官に竜崎のことをチクった小者ぶりとはうって変わって、かつての自分よりさらに俗物ぶりを発揮する弓削方面本部長をぴったりとマークする腰巾着ぶりを見せながらも、「いちいち本部長の判断を仰がなくても、君なら様々な措置を執れるだろう」と竜崎にけしかけられる(?)と、「やってみましょう、お任せください」と俄然やる気を見せる。すごい、あの野間崎が、やるときはやる男になろうとは。 

 本作で以前の野間崎のポジションを堅守(?)している弓削方面本部長だが、これがまたかつての野間崎のように特別監察で竜崎いじめを画策するのだが、見事失敗に終わる。あぁ、気持ちがいい。 

 竜崎家の主導権が、冴子夫人優位になっているところも小さくだが明らかな変化だ。 

 監察と異動の可能性があることを夫に告げられた冴子夫人は、まず「そんなことを考えてる暇があったら、もっと国のことを考えなさい」と一刀両断にしたのち、「でも、その弓削っていう方面本部長には腹が立つわね」とバッサリやる。それに竜崎が「いや、小者には腹も立たない」と応じる。 

 はみ出し者がルールは二の次に痛快にやってくれる、そういう爽快感はよくあるが、警察官僚が原理原則で規則を遵守しているのに、爽快感が残る。この珍しい感覚がたまらなく楽しい。 

 ところでタイトルの「去就」だが、竜崎が大森署を去る日が近いのか?と思っていたが、今回も栄転は見送られた。まずは一安心、である。

2020/03/13 20:10 トモダチ作戦(operation tomodachi) 

3/11読売新聞「震災9年」の連載コラムに震災発生時、「トモダチ作戦」の陣頭指揮に当たった元海軍将校のインタビューがあった。

↓詳細はこちら

https://www.yomiuri.co.jp/world/20200311-OYT1T50067/

 

このエピソードの凄いところは、正式な命令が下りる前の段階で、任務を遂行中の軍艦の艦長がが独断で司令官に行き先の変更を報告する、司令官も即答で同意した、と言うところにある。

軍の規律、というのはとても厳格だ。艦長のこのような行動は、下手をすれば軍法会議もの、なのだという。

 

実はこの艦長のお家は代々の軍人一家なのだそうで、この方のお爺さんは、占領下での日本で自分の人生と戦後の日本の行く末を変える「運命の出会い」があった、とのこと。

 

↓興味のある方はこちらへ

https://www.youtube.com/watch?v=X0U_LF7MSWY&list=PLRHWhPQg2Mo4LvboJqcCW7hqNo_7Us6O9&index=2&t=0s