高田教室

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2022-06-25 11:41:27.0 日本語って難しい?

井手塾高田教室の髙橋です。

小・中学生の国語と英語を担当しています。

昨日6/24(金)は猛暑日でした。

また暑い夏が来ましたね。

 

突然ですが、みなさんに問題です。

次の言葉の正しい意味や使い方を知っていますか。

①失笑

②確信犯

③しおどき(潮時)

 

①失笑

「他人を小馬鹿にして笑う」という使い方をしている人が多いようですが、

「失笑」は本来「こらえきれずに笑ってしまう」という意味です。

笑ってはいけない場面で、(笑うつもりはないのに)失敗して笑うという感じの言葉なのです。

他人の失敗を小馬鹿にして笑うのではなく、自分が笑ってしまったことそのものが

失敗だったというのが、本来の「失笑」です。

 

②確信犯

「悪いとわかっていて行う犯罪行為」という使い方をしている人が多いようですが、

「確信犯」は本来「正しいと信じて行う犯罪行為」という意味です。

犯罪はすべて悪いことですが、「悪いとわかっていて行う」のではなく、

「正しいと信じておこなったのに、それは犯罪だった」というのが「確信犯」の本来の意味です。

同じ犯罪でも「悪いとわかっていて行う」のと「正しいと信じて行う」のでは

意味が違いますよね。

 

③しおどき(潮時)

「しおどき」は「潮時」と書き、元々は「潮の満ちる時、または、引く時」の意味です。

転じて、「物事を始めたり終えたりするのに適当な時期、好機」という意味です。

「ものごとの終わり」「引き際」という使い方をされていることが多いようですが、

「適当な時期」「好機」という意味が込められていないと誤用となります。

 

上の①②③は、意味を取り間違えて誤用されることが多い言葉です。

国語を担当する立場では、「正しい意味をしっかりと覚えて使ってください」と言うべきでしょう。

しかし、個人的にはこういう誤用の多い言葉は、「あまり使わない方がいい」と考えています。

仮に発信する側が「正しい意味」で使ったとしても、受け止める側が「間違った意味」で理解していたら、

正しいことが伝わらないばかりか、相手に不快感を与えることにもつながります。

 

同じく誤用の多い「情けは人のためならず」を例に挙げてみます。

「情けは人のためならず」は本来「人に情けをかけておくと、巡り巡って結局は自分のためになる」

という意味ですが、人に情けをかけてやることは、その人のためにならない」という意味で

間違って使う人が多い言葉です。

例えば、人助けをしてケガをしてしまった人がいたとして、その人をねぎらうつもりで

この「情けは人のためならず」の言葉を言ったとします。

しかし、その人が「人に情けをかけてやることは、その人のためにならない」という意味で

この言葉を理解していたら、どう思うでしょうか。

ねぎらいのつもりでかけた言葉が、相手に不快感を与えることになります。

 

これからどんどん成長していく子どもたちには、正しい言葉を正しい意味で覚えていってほしいと思います。

一方で、大人の社会では、間違った言葉の使い方を責めていてもあまり意味がありません。

円滑なコミュニケーションがとても重要であり、そのためには言葉選びがとても重要です。

自分が「伝える」ことが、正確に、そして、気持ちよく相手に「伝わる」言葉選びをしたいものです。

私自身も反省して、気をつけていきたいと思います。

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