[ 練功18法 ]
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17)転腰腑仰(腰を回し、前後に倒す)
準備
足は肩幅。両手は拳にして腰に上向きで構える。
号令1
拳を開きながら両手を上へ、虎口を向かい合わせる。上を見る。
2
左手を見ながら両手を分けて下ろし、手のひらを背中(へその裏側、腎のツボ)へ当てる。指先下。前を見る。
3
上体を90度左へ回す。
4
上体を90度右へ回す。
5
前を向く。
6
上体を前へ倒す。
7
上体を後ろへ倒す。
8
元の姿勢に戻る。
2
1と同じ。
2
右手を見ながら両手を分けて下ろし、手のひらを背中へ当てる。指先下。前を見る。
3
上体を90度右へ回す。
4
上体を90度左へ回す。
5~8
一回目と同じ。
※
下半身が上体の動きにつられないように。上体の左右の回しで膝が中へ入ったり、前後の動きで膝が曲がらないように。
前に倒す時は頭はできるだけ遠くを通る。腰を後ろに突き出し、肘を後ろに、膝の裏を伸ばす。首を下に曲げない。
6から7にかけて上体を起こしていく時に、背中を丸めない。頭から上げていく。おなかから上げると、体がゆるんでしまう。
7の時は腹側を伸ばす。両手をつっかい棒にして、首からおなかにかけて、皮を伸ばすような感じ。おなかを突き出すと、皮が伸びない。
3から4にかけて、6から7にかけて動作を止めない。

18)展臂舒胸(腕を広げ、胸を張る)
準備
足は肩幅。
号令1
おなかの前で左手を上にして交差し、上に上げて開き、つま先立ちになる。上を見る。
2
左手を上にして交差するように両手を下ろす。かかとを下ろし、前を見る。
3
おなかの前で右手を上にして交差し、上に上げて開き、つま先立ちになる。上を見る。
4
右手を上にして交差するように両手を下ろす。かかとを下ろし、前を見る。
5~6
1~2と同じ。
7~8
3~4と同じ。
左足を寄せて終わる。
※
上に伸びるのが目的なので、両手は開き過ぎない。
かかとを上げた時、ぴょんと飛び上がらない。じわ~っと伸ばす。足の指で地面をつかむ。

16)托掌提膝(天を支え、膝を上げる)
準備
足を閉じ、両手は拳にして上向きで腰に構える。
号令1
重心を左足に移して右膝を上げる。
同時に左拳を開きながら上に上げる。手のひらを上に向け、虎口の間から天井を見る。
右手は拳を開きながら下へ押さえ下ろす。指先は前に向ける。
2
元の姿勢に戻る。
3
重心を右足に移して左膝を上げる。
同時に右手は上に、左手は下に。
4
元の姿勢に戻る。
5~6
1~2と同じ。
7~8
3~4と同じ。
※
膝を上げた時、つま先は自然に垂らす。
バランスを取るのが難しい動作なので、あまり無理をしないこと。
上に支え上げた手と、下に押さえた手、両方向に引き合う。
手は腰から直接上に上がっていく。太極拳のように中央に持ってきたりしない。
上の手は親指が内側に四本指が後ろに向くやり方と、親指が前方に四本指が内側に向くやり方がある。どちらにしても虎口はしっかり開く。

15)梳頭転腰(髪をとき、腰を回す)
準備
足は肩幅。
号令1
右手の四本指で髪の生え際を押さえ、左手は肘を曲げて甲を背中につける。
2
上体を90度左へ回し、右手四本指を頭頂部から後頭部へ髪をすくように移動させる。
左右の風池を横に四回かく。
3
前を向いて、中指で率谷を四回もむ。
4
中指で太陽を四回もみ、元の姿勢に戻る。
5
左手の四本指で髪の生え際を押さえ、右手は肘を曲げて甲を背中につける。
6
上体を90度右に回し、右手四本指を頭頂部から後頭部へ髪をすくように移動させる。
左右の風池を横に四回かく。
7
前を向いて、中指で率谷を四回もむ。
8
中指で太陽を四回もみ、元の姿勢に戻る。
※
四本指が髪の生え際にある時、手のひらの付け根は頭のてっぺんにつける。
上体を90度回した時、顔は真後ろを向く。下半身が上半身につられて回らないように。

中脘(ちゅうかん):みぞおちとへその中間
気海(きかい):へその、指二本分下
関元(かんげん):へそと恥骨の距離を五等分したとして、へそから五分の三の位置。
14)按摩胸腹(腹部、胸部のマッサージ)
準備
足は肩幅。右手のひらを上腹部に当てる。その上に左手のひらを重ねる(13のツボ押しの時と位置は同じ)。
号令1~8
最初は時計回りに小さく四回、次に大きく円を描いて四回マッサージする。
号令2、2、3~8
次に逆時計回りに大きく円を描き四回、小さく四回マッサージする。
号令1につき、一回回す。
※
みぞおちに手のひらを当てて、中へ押し込むようにマッサージする。
小さく回すと言っても、位置をずらさないまま回す。
手が上に向かう時は息を吸い、下に向かう時は息を吐く。
肘を張り、体は揺らさない。
時計回りにというのは、自分から見て。大きな円の場合、上腹部→左肋骨下部→下腹部→右肋骨下部→上腹部の順。
13)摩面揉谷(顔をさすり、ツボをもむ)
準備
足は肩幅。
号令1~4
両手の中指で地倉、迎香、鼻通、晴明をすり上げる。晴明は四回もむ。
攅竹、印堂を経て、人差し指、中指、薬指の三本で陽白、太陽へ。
太陽は中指で四回もむ。
両手のひらで顔をなで下ろす。人差し指が耳門、聴宮、聴会、頬車を通る。
号令5~8
両手の中指で地倉、迎香、鼻通、晴明、攅竹、印堂を経て髪際まで押す。
四本指で上星、百会、親指で太陽、率谷、風池を押す。風池は四回もむ。
指を揃えて両手を左右に分け、風池を通って耳の後ろへ。ひだになっているところを下から上へ中指で四回もむ。
耳を前に倒すようにしながら元に戻る。
※
最初は中指の腹で強く押しながら上へ(指圧)、眉の上あたりは指先(鍼)、こめかみをもむ時は肘を上げて刺すように、その後耳の内側から手のひらで下になで下ろす。
二回目は一回目と同じく指圧をしながら上がっていき、髪の生え際に。この時親指は太陽穴に当てる。四本指が頭の上に上がっていくにしたがって、親指は太陽穴から耳の上の率谷を通って風池にずれる。
地倉(ちそう):唇の横
迎香(げいこう):小鼻の横
鼻通(びつう)
晴明(せいめい):目の鼻側のややくぼんだところ
攅竹(さんちく):眉の生え際
印堂(いんどう):両眉の中間
陽白(ようはく):眉毛の真ん中(前を見た時の黒目の上)の少し上
太陽(たいよう):眉尻、目尻の中間やや後ろ、奥歯を噛みしめた時に動くところ、こめかみ
耳門(じもん)
聴宮(ちょうきゅう)
聴会(ちょうえ)
頬車(きょうしゃ)
髪際(はっさい)
上星(じょうせい)
百会(ひゃくえ)
風池(ふうち):後頭部髪の生え際のくぼみ
率谷(そっこく):耳の上部尖ったところの1センチ上
降圧溝(こうあつこう):耳の裏
睡眠穴(すいみんけつ):第二掌骨上部3分の1のところ

頬車↓

百会↑
号令2、2、3、4
左手を上腹部に当て、右手の親指で睡眠穴をもむ。
号令5~8
右手を上腹部に当て、左手の親指で睡眠穴をもむ。
※
目を閉じる。
左右にもむのではなく、上下に。一つの号令で四回もむ。
睡眠穴:片方の手を拳にし、その人差し指の山の部分に、もう片方の手の親指の関節を当てる。拳を開いた時に、もう片方の手の親指の先端が当たるところ。


11)馬歩冲拳(馬歩にしながら拳を突き出す)
準備
足は肩幅の1.5倍に開く。両拳上向きで腰に構える。
号令1
両膝を曲げて馬歩にする。
左拳を肩の高さにしてから前に打ち出す。拳心下向き。
右肘を後ろへ引く。
2
左拳を開き、手のひら上向きにする。ゆっくり腰に戻しながらまた上向きの拳にする。
膝をゆっくり伸ばし、元の形に戻る。
3
1と同じく馬歩になる。ただし右拳を前に、左肘を後ろへ。
4
2と同じ。元の形に戻る。
5~6
1~2と同じ。
7~8
3~4と同じ。
※
ずっと前を見ている。
前に打ち出す拳は、肩の高さに上げてから(この時拳心下向きに)、肘を伸ばす。下から振り上げてはいけない。拳に力をこめ、胸を張る。
下の手は腰のところで構えたまま肘を後ろへ引く。両手で前後に引き合う。
上の手は肩の前、下の手は肩の後ろ。肩の位置が前後にずれてはいけない。
馬歩にした時、顔が膝より前へ出ない。前かがみになったり、うしろに反ったりしない。重心は真ん中に。
戻してくる手に注意。拳のまま戻さない。足も注意。ゆっくり膝を伸ばす。

12)松臂転腰(腕の力を抜き、腰を回す)
準備
足は肩幅。右手を体の前、左手を左横に、肩の高さで水平に。腕は伸ばす。前を見る。
号令1
腕を伸ばしたまま腰を左に回し、肘を曲げ、右手の虎口は左の肩に、左手の甲は背中に。
2
腕を伸ばしたまま腰を右に回し、肘を曲げ、左手の虎口は右の肩に、右手の甲は背中に。
3~8
1~2と同じ動作をくり返す。
※
顔・・視線は腰の回しと同じ。後ろを見る時首を傾けない。
腕は自分から振り回さない。腰の回しについていくだけ。力を入れず、遠くへ放り投げるような意識。
回すのは上半身だけ。下半身は前に向ける。膝が中に入ったり足裏が浮いたりしない。
回し終わった時、両肘をさらに前に、あるいは後ろに押し出すように。肩口と背中につけて終わりではなく、上の肘と下の肘とでさらに遠くへの引き合いがある。
上の手は肩と肘が同じ高さ。肘が下がらない。

10)前後展臂(腕を前後にひらく)
準備
足は肩幅、拳は上向きで腰に構える。
号令1
右手を前方斜め上へ拳を開きながら押し出す。手のひらは前を向く。
左手は後方へ伸ばす。拳心上向きになるようねじる。左手を見る。
2
元の形に戻る。
3
左手を前方斜め上へ拳を開きながら押し出す。手のひらは前を向く。
右手は後方へ伸ばす。拳心上向きになるようねじる。右手を見る。
4
元の形に戻る。
5~6
1~2と同じ。
7~8
3~4と同じ。
※
横から見て前の手と後ろの手が一直線になっているように。
前の手は真っ直ぐ前(肩の前)、後ろの手は真っ直ぐ後ろ(肩の後ろ)にする。両肩の位置を前後にずらさない。
肩を動かさない。平らにする。腰を回さない。
顔を後ろに向けると下の手も目に入る。首を傾けてはいけない。
後ろの手はできるだけ上に向ける。外側に手首をねじらない。
戻してくる時はゆっくりと。

9)伸臂転腕(腕を伸ばし、手首をねじる)
準備
足は肩幅。両手は拳にして、腰のところで上向きに構える。
号令1
拳を開きながら手を上へ上げ、両手のひらを向かい合わせる。上を見る。
2
両手を拳にして、外向きにねじる。両手を分け、左手を見ながらできるだけ後ろを通って下ろす。
腰のところでまた手首をねじって上向きの拳にして、腰に構える。前を見る。
3
1と同じ。
4
2と同じ。ただし右手を見ながら下ろす。
5~6
1~2と同じ。
7~8
3~4と同じ。
2
両拳を開きながら後ろを通って手を上げていく。左手を見る。
上まで来たら両手のひら向かい合わせる。上を見る。
2
両手を拳にして、肘を曲げて、体の前を通っておなかの前まで下ろす。前を見る。
おなかの前で手首を外側にねじり、次に内側にねじって腰に構える。
3~4
2~2と同じ。ただし右手を見ながら手を上げる。
5~6
2~2と同じ。
7~8
3~4と同じ。
※
両手を上に上げた時は息を吸っているので、おなかをひっこめる。
両手を上に上げる時(前半の1、3、5、7)は拳をゆっくり開き、腕をねじりながら上げていく。
両手を後ろを通って上げていく時(後半の2、3、5、7)は手のひらが上を向くように(腕が外側にねじれている)。また、体が後ろにそらないように。
拳を作る時は指先からゆっくり曲げ、最後に親指が人差し指と中指につく。パッと開いたり握ったりしない。
前半の動作は、1・・両手を向かい合わせる、2・・拳にして外側にねじる、3・・拳心が天井を向く(腕が外側にねじれている)、4・・手首を内側に回して準備の姿勢に戻る・・で、ねじりが二回ある。
後半の動作は、1・・両手を向かい合わせる、2・・手首を折って、肘を曲げ、あごの前で手の甲を向かい合わせる(手首より肘の方が上にある)、3・・下に向かって拳を突き刺す(この時は手首ねじらない)、4・・手首をハの字にしてから、準備の姿勢に戻る。この時手首を二回・・外側、内側・・にねじる。
ハの字にねじった時は腕を伸ばし、下に向かって。おへその前で両手首の間隔は腕一本分。

7)四面推掌(四方に手のひらを押し出す)
準備
足は肩幅、両手は拳にして腰に構える。拳は上向き。
号令1
両手を拳を開きながら体の側線を通って上へ上げる。両手の虎口を向かい合わせる。上を見る。
2
手のひらを内側に向け、拳にしながら下ろしてくる。前を見る。
3
体を左に回し、拳を開きながら手を前と後ろに伸ばし出す。左手を見る。
4
元の形に戻る。
5
体を右に回し、拳を開きながら手を前と後ろに伸ばし出す。右手を見る。
6
元の形に戻る。
7
前を向いたまま両手を左右に、拳を開きながら押し出す。
8
元の形に戻る。
※
腰を左あるいは右に回すが、下半身は正面を向いたまま。上半身に引きずられないように。
拳を開く時、拳にする時、手を押し出す時、戻す時、いずれもきちんとゆっくりねじる。
手の動きの方が腰の回しよりほんの少し早い。
両手を左右に押し出した時は、肩甲骨を寄せる。

8)拉弓射箭(弓を引き、矢を射る)
準備
号令1
左足を肩幅の1.5倍のところに出す。
胸前で左手を外に、両手を交差させる。手は立掌で、体から少し離す。
2
両膝を曲げて馬歩にする。
手のひらを自分の方に向け、拳にして自分に少し近づけねじり込むようにしてから、すぐ左拳を開きながら押し出す。右拳は後ろへ引く。左手を見る。
3
左肘を曲げて戻し、右拳を開き、両手が肩の高さで(あごの下で)下向き。
そのまま足をゆっくり伸ばしながら立ち上がる。
手は肘を伸ばし、下に押さえ下ろし、指を内側に向けてねじる。
4
左足を戻し、手の力を抜く。
5
右足を肩幅の1.5倍のところに出す。
胸前で右手を外に、両手を交差させる。以下1と同じ。
6
両膝を曲げて馬歩にする。
2と同じ。右拳を開きながら押し出す。左拳は後ろへ引く。右手を見る。
7
右肘を曲げて戻す。以下3と同じ。
8
右足を戻す。
※
馬歩なので、重心は真ん中に置く。つま先を開かない。
両手は前後に引き合う。引いている方・・曲げている方の手は、拳や手首、肩に力を入れない。上腕を伸ばす。拳は下向き。
腕を内側にねじる時は、腕の外側・・小指側を伸ばしている。手のひらで下に沈める。指は腿の方を向く。

5)左右蹬腿(左右の脚を伸ばす)
準備
足を肩幅に開き、手は腰。親指が背中側。
号令1
左膝を上げ、膝を伸ばして右斜め下にかかとを蹴り出す。
2
左膝を曲げ、足を下ろして準備の姿勢に戻る。
3
右膝を上げ、膝を伸ばして左斜め下に蹴り出す。
4
右膝を曲げ、足を下ろして準備の姿勢に戻る。
5~6
1~2の繰り返し。
7~8
3~4の繰り返し。
※
膝を上げたり、蹴り出した時に両肩の位置や股関節の位置が変わらない。傾いたりせず、体を真っ直ぐに保つ。
膝を上げた時、足先は下に向けなくてよい(足の甲を伸ばさない)。
腿は90度まで引き上げ、その後45度内側へかかとに力を入れて蹴り出す。立っている足より外に出てよい。
蹴り出した足は地面から20センチくらいの高さ。つま先は天井に向ける。
ずっと前を見ている。

6)四面踢毽(四方へ向かって羽根を蹴る)
準備
足を閉じ、両手は腰。親指が背中側。
号令1
左膝を曲げて内側に上げ、下ろして元の形に戻る。
2
右膝を曲げて内側に上げ、下ろして元の形に戻る。
3
左膝を曲げて外側に上げ、下ろして元の形に戻る。
4
右膝を曲げて外側に上げ、下ろして元の形に戻る。
5
左膝を曲げて持ち上げ、膝を伸ばして前に蹴り、下ろして元の形に戻る。
6
右膝を曲げて持ち上げ、膝を伸ばして前に蹴り、下ろして元の形に戻る。
7
左かかとがお尻に近づくように、膝を曲げて後ろに蹴り、下ろして元の形に戻る。
8
右かかとがお尻に近づくように、膝を曲げて後ろに蹴り、下ろして元の形に戻る。
※
両肩の位置や股関節の位置が変わらない。体が傾かない。前を見ている。
1と2では脚の外側を伸ばしている。上げている足は軸足より少し外へ出る。
3と4では脚の内側を伸ばしている。上げた足のへりの部分が床と平行になるように股関節を横に開く。
1~4では足の裏がなるべく天井を向くように。つま先は前(正面)に向け、つま先が膝より上に来る。
腿の角度90度、膝の角度90度、足首の角度90度。
5と6では脚の甲側を伸ばしている。
膝を持ち上げた時は足首は曲がっていて、蹴る時に足首の関節を伸ばす。
上ではなく、前に突く感じで伸ばす。
7と8ではアキレス腱を伸ばすので、足先は下げる。足首は曲げ、甲を伸ばさない。
かかとを後ろへ上げた時、膝が軸足より前へ出ない。