日本の誇りであり、アジアの誇りでもありますノーベル物理学賞を3名の日本人が受賞しました。
昭和61年以前には結晶の素材としてほとんど見向きもされていなかった窒化ガリウムに注目し、昭和61年に、青い光を出すのに必要な高品質の「窒化ガリウム」の結晶化に世界で初めて成功した、名城大学教授 赤崎 勇氏(85歳)と師弟関係にある 名古屋大学教授 天野 浩氏(54歳)、さらに平成5年、独自に開発した装置を使って、極めて明るい青色LEDの開発に世界で初めて成功し、世界中の研究者を驚かせた カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授 中村 修二氏(60歳)ら3名の情熱とあきらめない執念が世界に認められた快挙でした。
最近の日本の科学界はあってはならない不祥事が多く発覚し、科学者の世界まで非常識がまかり通り色々な問題が報道され、ついには世界的な学者が自殺するという暗いニュースが流れていただけに今回のニュースは久方振りに明るく大変嬉しいニュースでした。
東北大震災、台風・水害、噴火災害など日本全体が深い悲しみの中に自信を失いかけていた時だけに、物創りの国「日本」の評価が再び世界で上がり、我々日本人に誇りと自信、やる気を呼び起こす素晴らしい受賞であったと思います。
インターネット(IT)時代になり100年前と比べ地球全体(世界)が狭くなり国境もなくなり、一国の経済は自国内だけの影響でなく遠く外国の情勢、例えば 政変、紛争、財政状況、自然・人為災害等々によって瞬時に連鎖的に為替相場の上下や市況の上下、外国人投資家の動静などに影響を与え自国の経済が変動してしまう程、情報・ニュースの受発信がグローバル化しています。そしてこのノーベル賞のニュースも一瞬にして世界中を駆け巡りました。
安定した豊かな国や地方であってもそこに住み生活する集団にとって知識や情報の追求は基本であります。また異なる国民・民族間ではお互いに切磋琢磨の努力を厭わないことがその国民の民度の優劣を決定する分かれ道だと思います。
ノーベル賞は地球のどんな所に住もうが生まれようが、優しさと美しい神様のような温かい霊の持主たちが自然と集まり、その中心となるリーダーと周りの強い結束力で確固たる目標に向かって一体となりこれをやりたいと思い願うことから第一歩が始まると思います。そして決してあきらめず一歩一歩努力を積み重ねたそこからノーベル賞という奇跡が起きるのです。
スポーツや芸術であれ また経済であれ科学・医学・政治であっても団結力のあるチーム・団体、企業、政党、国民・市民、町内会、家族に至るまでこのような奇跡は起こりうる思います。日本の敗戦後の復興も正にこの事の証明だと思います。
自分の住む町をどんな町にしたいのか? いつでも答えられるだけこの町を常に愛することと情報を知ること、さらに歴史的裏づけのあるこの上越市は全国屈指の人材を各界各層に送り出した土地でもありますので、それらのレベルの高いこの町の伝統的人物の足跡を大切にし、誇りあるものを子供達にしっかり受け継がせることを私達日本人は考え、自身を持ってノーベル賞をアジアの中で一番受賞者の多い国であることを自負するべきであると思います。
ノーベル物理学賞に続きノーベル平和賞の受賞者が発表され、パキスタン人のマララ・ユスフザイさん(17歳)が受賞しました。ノーベル賞史上最年少の受賞となり、世界中が驚きと賞賛の声を上げました。
このマララさんの受賞までの経歴はあまりにも過酷で苦難に満ちたもので、自分の死を覚悟して命懸けで活動してきた中で、世界中の人々が感動し突き動かされた結果の受賞だと思います。
受賞したマララさんが行ったイギリス中部バーミンガムの図書館での英語による受賞決定スピーチは、とても17歳の少女が語ったとは思えない素晴らしい内容のものでした。これは是非とも日本の子供達にも読んでもらいたいと思います。
今後、日本においてもマララさんのような立派な若者達が育ちあるいは育て、この後に続いて行ってくれればと心から願うものです。
今回ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんに最大限の敬意と賛辞を送りつつ、今後の活躍を見守りたいと思います。