えいじま義雄の蓮風便り

「蓮」の花と薫りのように清く「義」一筋に政治の道を貫きます

2016/12/16 06:27 現行の法制下で地方自治体の活性化は無理

 「これからは地方の時代だ‼」と、安倍政権が地方創生を謳い上げても中々その結果が現れて来ていません。「地方分権だ‼」「道州制だ‼」やれ「首都移転だ‼」と掛け声は聞こえますが、地方自治体に関する改革は全く見るべき成果は挙がっていません。

 

 平成11年から国の圧力で『平成の大合併』が行われ、小さな地方自治体を広域化することによって財政基盤を強化し、地方分権を推進するこを目的に市町村の自主的合併が推し進められました。

 しかしその結果、長い歴史と伝統で親しまれて来た町名や村名が消えてしまい、味気無い市名の所に編入され、首長も議員も役場職員数も減少してしまい、住民の利便性は失われ、その上経済効果も目に見えて来ていません。いったい大騒ぎしての合併は何のためだったのか考えさせられます。

 

 私の経験から痛切に感ずることは、「現状の法律では、地方自治体の活性化は無理である」と言う事です。我々議員が、年4回、通常議会で様々な提案をし声を大にして訴えても、市、行政側は只々聞き置くだけです。答弁の99%は「財源の見通しが立たない」「いつからやりますとは言えない」と言ったやらない事の理由付答弁ばかりです。これが役人と云うものでしょうか。

 

 例えば、これからの上越市の観光を考えた時、春日山城址の整備復元と、高田城の完全復元はどうしても必要なアイテムであると思います。しかし上越市がここに復元建物、飲食店や土産物店などの建物を建てようとしても、国や県は法律を楯に雁字搦めに制約を加えて許可致しません。いくら市民や議会が要望を申し入れても、市は、国や県権限が強い事を理由に、前例の無い事はやろうとしないのです。

 しかし私にはこれは怠惰に見えます。「成さぬは人の成さぬなるなり」の気概は全く感じません。どんなことでも交渉して行くことは「ねばっちこい精神」が必要だと思うのです。

 

 さらに残念ながら地方議会における議員は、市政に強い権限を有してはおりません。執行権も裁量権も予算提案権ありません。そこで地方自治体が思い切った改革を断行するには地方自治体がもっと自主的に活動出来るよう規制を緩和し、法律を整備すべきであり、現行法律の変更、権限移譲をやるべきなのです。

 

 150年前と同じ中央集権では絶対に人口も増えません。地方で金を掛け人材を育てても、皆んな中央へと行ってしまうことになります。

 従って財源も無く、アイデアもやる気も無い役人ばかりの地方行政では、日本中どこでも存在感の無い田舎の町になってしまうのです。上越市もまた然りです。